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¥4,620
フランス人写真家、トニー・フランクによる写真集。 セルジュ・ゲンスブールは、音楽家、作詞家、作曲家、俳優、映画監督、画家など、さまざまな顔をもつフランスを代表する才人である。本書は、当時の妻ジェーン・バーキンをジャケットに起用した1971年の名盤『メロディ・ネルソンの物語』にまつわる貴重なアーカイブ写真を収録している。コンタクトシート、スライド、プルーフに加え、フランク自身による当時の撮影秘話も掲載されており、世界的に知られるあの一枚に新たな光を当てる内容となっている。 - Title: Bleu MelodyArtist: Tony FrankPublisher: RVB Books, 2019Format: Softcover with dust jacketSize: 155 × 200 mmPages: 96Language: EnglishEdition: Second printingISBN: 979-1090306783
(Artist Edition in Linen Bag) 6 by Véronique Rolland
¥64,900
イギリス人写真家、ヴェロニク・ローランによるアーティストブック。イギリスのブライトンを拠点に活動する独立系出版社「Jane & Jaremy」がデザインとアートディレクションを行った本作は、フランスに生まれたローランがロンドンに移住してからの最初の10年間(1996年から2006年)に制作した作品を収録。各シリーズは1冊の本にまとまり、それ自体で完結しているが、それらを合わせると人間のアイデンティティに関する小さな百科事典となり、自然の不変性と進化を観察することが可能となっている。限定36部。作家によるサイン、ナンバリング入り。*IACK特典として、フォトグラファーズ・ギャラリー・ロンドンのキュレーターであるステファニー・ブラウンによる序文の邦訳が付属します。-Title: 6Artist: Véronique RollandPublished by Alaska Editions, 2011Designed and art directed by Jane & Jeremy6 books + 1 booklet in hand made linen bagBooks: hard board cover with dust jacketText in English Limited edition of 36 copies + 2 APs, numbered¥59,000 + tax
The Eye is a Lonely Hunter: Images of Humankind
¥4,290
2011年9月10日から11月11日にかけてドイツのマンハイム、ルートヴィヒスハーフェン、ハイデルベルクの3都市で開催された写真祭、「The Eye Is a Lonely Hunter: Images of Humankind」に合わせて出版された展示カタログ。カテリーナ・グレゴス(Katerina Gregos)とソルヴェイ・ヘルヴェグ・オヴェセン(Solvej Helweg Ovesen)がキュレーションを行なったこの展覧会には、世界32カ国から56人のアーティストが参加した。写真が人類学の知識を伝える新たで重要な方法に焦点を当て、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパ、アジアを含む複数の地理的な角度から見た、21世紀の第2の10年間における人間の状態の写真的調査を目指している。現代写真の拡大された性質を反映したさまざまなレンズベースのメディアを使用して、アーティストの作品はドキュメンタリー、民族誌学、演出写真の伝統を利用して、今日の写真の人類学的役割を批判的に反映し、しばしばドキュメンタリー写真の伝統におけるヒューマニズム的視点を出発点にしている。2011年の人類の肖像画とはどのようなものだろうか?今日、人類が直面している重要な課題と課題は何か?また、それらはどのように表されているか?写真はどのように共感を生み出し感情を呼び起こすのか?収録作家Bani Abidi/Mac Adams/Ravi Agarwal/Said Atabekov/Sven Augustijnen/Roger Ballen/Olaf Otto Becker/Sofia Burchardi & Plamen Bontchev/Marie José Burki/Edward Burtynsky/Peggy Buth/Marianna Castillo Deball/Philippe Chancel/Chen Chieh-Jen/Gohar Dashti/Fouad Elkoury/Köken Ergun/Hasan & Husain Essop/Simon Fujiwara/Peter Funch/Agnes Geoffray/Alexandros Georgiou/Francesco Giusti/Geert Goiris/Igor Grubic/Cao Guimarães/Jacob Holdt/Pieter Hugo/Nicu Ilfoveanu/Gulnara Kasmalieva...
Neue Welt by Wolfgang Tillmans
¥27,500
ドイツ人写真家、ヴォルフガング・ティルマンスによる写真集。 ティルマンスは20年以上にわたり、同世代のアーティストの中でも類を見ないほど幅広い方法で写真というメディウムを探究してきた。友人たちを撮影したスナップショットから、カメラを使わず暗室で制作された抽象的なイメージ、さらにはコピー機を用いた作品に至るまで、彼は写真のプロセスを多様なかたちで限界まで押し広げてきた。 本書は、TASCHENから刊行された彼にとって4冊目の写真集であり、それまで数年間にわたり続けてきた写真というメディウムそのものへの自己言及的な探究から一歩距離を置き、レンズを外の世界へと向けた作品群で構成されている。ロンドンやノッティンガムから、フエゴ島、タスマニア、サウジアラビア、パプアニューギニアに至るまで、撮影地は多岐にわたる。ティルマンスはこの新たなフェーズについて、「カメラが自分に何をしてくれるのか、自分がカメラに何をしてやれるのかを試しているだけ」と簡潔に語る。その結果生まれたのは、世界各地の異なる場所で生きる「いま」の生活を、複数の視点と角度から捉えた、力強く唯一無二のヴィジョンである。彼はまた次のようにも述べている。「私の旅には目的地や明確な成果はない。あらかじめ決められた結果を探しているわけではなく、ただ、自分が生きているこの時代について何かを語りかけてくる被写体に出会えることを願っているのだ」 チューリッヒ美術館館長であるベアトリクス・ルフとティルマンスによる対談テキストも収録。 その後の現代写真の流れを決定づけた写真史における金字塔であり、最重要作品。 - Title: Neue WeltArtist: Wolfgang TillmansPublisher: TASCHEN, 2012Format: SoftcoverSize: 210 x 275 mmPages: 272Language: English / French / GermanEdition: First editionISBN: 978-3-8365-3974-6 Condition: Good/経年並みのキズ、染み、ヤケ、小オレ。
54°0′13.176″N 2°32′52.278″W by Véronique Rolland
¥17,050
イギリス人写真家、ヴェロニク・ローランによるアーティストブック。本作のタイトル『54°0′13.176″N 2°32′52.278″W』は、イギリスの島々が目に見えないワイヤーによって正確な位置で本土に固定されていると仮定した場合の中心位置を示す座標である。ランカシャー州のボウランドの森の中で最も人里離れた場所にあるこの場所は、イングランド、ウェールズ、北アイルランドにおける特別自然美観地域のひとつに指定されており、ヘザーに覆われた泥炭湿原、古代の森、岩だらけの粗粒砂岩高原地帯、そしてその間を流れる川から構成されている。このプロジェクトは、この孤立した場所の本質を映像作品とフィールドワークに基づいたアーティストブックから捉えることで、現代の崇高さの概念における地図学や風景、そしてイギリス人と、ブリテン諸島の精神性に関する新たな対話を投げかけている。106部限定、作家によるサインとナンバリング入り。-Title: 54°0′13.176″N 2°32′52.278″WArtist: Véronique RollandJane & Jeremy, 2017Foil blocked cover and boxBox size: 148 x 210 mmBox contains:16 page introduction booklet20 page film still booklet2 fold-out concertinas3 postcards1 folded A3 posterText in EnglishFirst edition of 106 copies + 6AP's, hand numbered¥15,500 + tax
10月17日まで店頭で、そして現在はオンライン上でベルギー在住のオーストリア人アーティスト、アグライア・コンラッド(Aglaia Konrad)のアーカイブ展を開催中だ。この展示はコンラッドの代表的な作品集を中心に、これまで参加したグループ展や個展のカタログ、その他関連書籍やグッズまで幅広く網羅した、世界でも類を見ない充実した内容となっている。 コンラッドはこれまで日本で2度グループ展に参加しているが、個展の開催は未だ実現しておらず、また写真を使った作品が中心にもかかわらず、なぜか写真の文脈でも紹介されることは少ない。実際、ぼく自身もIACKで既に取っていた作品集を除いて作家のことを詳しくは知らなかったし、今回の展示の来場者やネットでの反応を見ている限り、そもそもこの作家の名前を聞いたことすらないという人が大半であった。しかし、そのような状況をいくら嘆いていても仕方がない。幸いなことに、現在IACKには充実したコンラッドの作品集コレクションがあり、そして先日オランダの「Roma Publications」より出版された新刊は、『Japan Works』というタイトルが示す通り、日本をテーマに制作された作品である。日本の観客にとっては、この作家の作品世界に触れるまたとない機会と言えるだろう。 今回は『Japan Works』の読解を中心に、型に捉われずにあらゆる探究を続けてきた作家の魅力に迫る。<Japan Works - 1>まずは早速、今回制作された新作を見てみよう。コンラッドが「Roma Publications」とともに作品集を制作するのは、2011年の『Carrara』、2017年の『Schaubuch: Skulptur (Looking At Sculpture) 』に続き3度目となる。本書はおよそ500ページにも及ぶ大ボリュームの作品集で、コンラッドが2019年の9月から10月にかけて撮影した、東京、糸魚川、京都、名古屋、大阪に点在するメタボリズム建築[*1]と、その周辺で独自の都市風景を形成する無名の建築物の写真を収録している。 何より本書を特徴付けているのは、そのシンプルかつ大胆な構造だ。本書はグリッド状に配置されたカラー写真のページ、画面いっぱいに印刷されたモノクロ写真のページ、随所に差し込まれたテキストページの反復によって構成されている。「Roma Publications」の設立者でありデザイナーのロジャー・ヴィレムス(Roger Willems)によると、カラーページの仕様はコンラッドから送られてきた何千枚もの写真データが時系列順に並んでいるのを最初に目にした際に思いついたそうだ。[*2]そこには、作者が異国の地で一カ月間にわたりレンズを向けたさまざまな光景がありのまま写し出されており、読者がその足取りをたどることができるように、写真がファイル番号とともにタイムラインに沿って配置されている。一方の白黒ページには、既に彼女の作品を見たことがある読者にとってはなじみ深いパワフルなモノクロ写真が各ページに一枚ずつ印刷されている。当初このページには、コンラッドがデジタル写真と並行してわずかながら撮影していたフィルム写真をレイアウトすることを想定していたそうだ。興味の赴くまま撮影されたデジタル写真と、 ひと息置いて撮影されたフィルム写真。その時間の流れのコントラストに惹かれたヴィレムスだったが、全体のボリュームとバランスを考慮した結果、最終的にはフィルム写真に加えてデジタル写真も織り交ぜた上で構成することとなった。そして最後の仕上げとして本書全体に軽快なリズムをもたらしているのが、随所に差し込まれたテキストページである。このテキストは作家自身によって書かれたものではなく、オーストラリア人建築家であり日本学者のジュリアン・ウォーラル(Julian Worrall)によって書き下ろされた、メタボリズム建築や日本の文化、風景に関するエッセイのような文章である。数千枚の膨大な量の写真がコンラッドの旅路と迷宮のような都市像を体現しているとすれば、このテキストは読者の手を引いて旅の終わりまで案内をするガイドの役目を担っている。Spreads from "Japan Works" ©︎IACK, 2021本書はこれまでコンラッドが制作してきた作品集の中でも、ある意味最も建築という要素が全面的に押し出された作品だが、果たして本書を、異国の著名な建築物を見て周った旅の記録として捉えるのは正しい読み方なのだろうか。 答えはイエスであり、ノーである。そもそも作品集を読む上で正解不正解などありはしないし、本書が建築を全面に押し出しているのは明白な事実である。しかし、これまでのコンラッドの実践を知れば知るほど、それだけではこの作品の上澄だけをすくっているに過ぎないという風に感じられることもまた確かなのだ。<グローバリゼーションと写真的実践>1960年、コンラッドはオーストリアのザルツブルクに生まれた。美術の専門教育は受けていなかったが、建築や都市環境、そしてシネマトグラフィーに興味を持ち、20代の頃にはウィーンの建築事務所で秘書として勤務する。そしてカメラを購入したコンラッドは独学で写真を学び始め、次第に本格的に撮影を行うようになる。はじめの頃こそ近場のヨーロッパの都市を中心に撮影していたが、1991~1992年ごろになると、現在進行形でグローバル化する世界と、至るところで並行的に進行する都市開発に関心を持ち始めた。そしてコンラッドはその後の制作スタイルのベースとなる、リサーチに基づいた作品作りを開始する。「撮影を始めるにあたり、私は2~3カ月間をかけてさまざまな大都市に滞在して現地で調査を行いました。情報が既にあるものについては、家にいながらでもリサーチはできますが、本当の意味で未知のものや新しく開発されているものは、自分の目で直接見なければ発見できません。作品を見てわかるように、私の場合はギラギラとした建築や最新のもの、話題のものには興味がなく、実際そこに私の興味のあるものはほとんどありませんでした。そして私はアーティスト・イン・レジデンスへの応募を始め、カメラを持って街をスキャンし、興味をそそられるものを撮影しました。」[*3]コンラッドにとって、写真撮影は自身が身体的/空間的に体験した建築や都市のあらゆる要素を、文字通りスキャンするかのごとく収集し、写真という2次元に落とし込む行為であった。さらにコンラッドは、そのように撮影した写真を慣習的な方法にのっとってアウトプットするのではなく、再び3次元的に、空間的に還元する方法を模索した。この一連の作品制作のプロセスは、自分自身や空間の知覚を押し広げることを意味していた。そして建築と「空間」に強い興味を持っていたコンラッドは、建築に関連するイメージを「展示会場」という空間の建築と結合し、観るものに新たな経験を与える試みを次々と行った。Installation view ©︎Aglaia Konrad, 2021<新たな空間の発見>このように、都市空間と展示会場を接続させる表現を試みていたコンラッドだったが、次第に新たな「展示会場」として「本」というメディアに着目するようになる。最も最初にその片鱗が垣間見えるのは、1992年にベルギーのハッセルト・プロヴィンシアル美術館とCBKロッテルダムで開催されたグループ展、「Snapshotpolitics - De camera als instrument van de kunst」に合わせて出版された展示カタログである。本書はわずか22ページの冊子のようなカタログだが、コンラッドのページではトレーシングペーパーを重ねることでガラスと写真、風景のレイヤーを表現したユニークなデザインが採用されている。Spread from "Snapshotpolitics - De camera als instrument van de kunst" ©︎IACK, 2021しかし、これはあくまで実際のインスタレーションのミニチュア版として制作された展示の付属物であり、それ自体作品としての本とは言い難い。その特性を最大限に活用した表現が本格的にスタートするのは、彼女が1995年から取り組み始めた一連のアーティストブック・シリーズからである。中でも1998年に制作された『Sao...
10月17日まで店頭で、そして現在はオンライン上でベルギー在住のオーストリア人アーティスト、アグライア・コンラッド(Aglaia Konrad)のアーカイブ展を開催中だ。この展示はコンラッドの代表的な作品集を中心に、これまで参加したグループ展や個展のカタログ、その他関連書籍やグッズまで幅広く網羅した、世界でも類を見ない充実した内容となっている。 コンラッドはこれまで日本で2度グループ展に参加しているが、個展の開催は未だ実現しておらず、また写真を使った作品が中心にもかかわらず、なぜか写真の文脈でも紹介されることは少ない。実際、ぼく自身もIACKで既に取っていた作品集を除いて作家のことを詳しくは知らなかったし、今回の展示の来場者やネットでの反応を見ている限り、そもそもこの作家の名前を聞いたことすらないという人が大半であった。しかし、そのような状況をいくら嘆いていても仕方がない。幸いなことに、現在IACKには充実したコンラッドの作品集コレクションがあり、そして先日オランダの「Roma Publications」より出版された新刊は、『Japan Works』というタイトルが示す通り、日本をテーマに制作された作品である。日本の観客にとっては、この作家の作品世界に触れるまたとない機会と言えるだろう。 今回は『Japan Works』の読解を中心に、型に捉われずにあらゆる探究を続けてきた作家の魅力に迫る。<Japan Works - 1>まずは早速、今回制作された新作を見てみよう。コンラッドが「Roma Publications」とともに作品集を制作するのは、2011年の『Carrara』、2017年の『Schaubuch: Skulptur (Looking At Sculpture) 』に続き3度目となる。本書はおよそ500ページにも及ぶ大ボリュームの作品集で、コンラッドが2019年の9月から10月にかけて撮影した、東京、糸魚川、京都、名古屋、大阪に点在するメタボリズム建築[*1]と、その周辺で独自の都市風景を形成する無名の建築物の写真を収録している。 何より本書を特徴付けているのは、そのシンプルかつ大胆な構造だ。本書はグリッド状に配置されたカラー写真のページ、画面いっぱいに印刷されたモノクロ写真のページ、随所に差し込まれたテキストページの反復によって構成されている。「Roma Publications」の設立者でありデザイナーのロジャー・ヴィレムス(Roger Willems)によると、カラーページの仕様はコンラッドから送られてきた何千枚もの写真データが時系列順に並んでいるのを最初に目にした際に思いついたそうだ。[*2]そこには、作者が異国の地で一カ月間にわたりレンズを向けたさまざまな光景がありのまま写し出されており、読者がその足取りをたどることができるように、写真がファイル番号とともにタイムラインに沿って配置されている。一方の白黒ページには、既に彼女の作品を見たことがある読者にとってはなじみ深いパワフルなモノクロ写真が各ページに一枚ずつ印刷されている。当初このページには、コンラッドがデジタル写真と並行してわずかながら撮影していたフィルム写真をレイアウトすることを想定していたそうだ。興味の赴くまま撮影されたデジタル写真と、 ひと息置いて撮影されたフィルム写真。その時間の流れのコントラストに惹かれたヴィレムスだったが、全体のボリュームとバランスを考慮した結果、最終的にはフィルム写真に加えてデジタル写真も織り交ぜた上で構成することとなった。そして最後の仕上げとして本書全体に軽快なリズムをもたらしているのが、随所に差し込まれたテキストページである。このテキストは作家自身によって書かれたものではなく、オーストラリア人建築家であり日本学者のジュリアン・ウォーラル(Julian Worrall)によって書き下ろされた、メタボリズム建築や日本の文化、風景に関するエッセイのような文章である。数千枚の膨大な量の写真がコンラッドの旅路と迷宮のような都市像を体現しているとすれば、このテキストは読者の手を引いて旅の終わりまで案内をするガイドの役目を担っている。Spreads from "Japan Works" ©︎IACK, 2021本書はこれまでコンラッドが制作してきた作品集の中でも、ある意味最も建築という要素が全面的に押し出された作品だが、果たして本書を、異国の著名な建築物を見て周った旅の記録として捉えるのは正しい読み方なのだろうか。 答えはイエスであり、ノーである。そもそも作品集を読む上で正解不正解などありはしないし、本書が建築を全面に押し出しているのは明白な事実である。しかし、これまでのコンラッドの実践を知れば知るほど、それだけではこの作品の上澄だけをすくっているに過ぎないという風に感じられることもまた確かなのだ。<グローバリゼーションと写真的実践>1960年、コンラッドはオーストリアのザルツブルクに生まれた。美術の専門教育は受けていなかったが、建築や都市環境、そしてシネマトグラフィーに興味を持ち、20代の頃にはウィーンの建築事務所で秘書として勤務する。そしてカメラを購入したコンラッドは独学で写真を学び始め、次第に本格的に撮影を行うようになる。はじめの頃こそ近場のヨーロッパの都市を中心に撮影していたが、1991~1992年ごろになると、現在進行形でグローバル化する世界と、至るところで並行的に進行する都市開発に関心を持ち始めた。そしてコンラッドはその後の制作スタイルのベースとなる、リサーチに基づいた作品作りを開始する。「撮影を始めるにあたり、私は2~3カ月間をかけてさまざまな大都市に滞在して現地で調査を行いました。情報が既にあるものについては、家にいながらでもリサーチはできますが、本当の意味で未知のものや新しく開発されているものは、自分の目で直接見なければ発見できません。作品を見てわかるように、私の場合はギラギラとした建築や最新のもの、話題のものには興味がなく、実際そこに私の興味のあるものはほとんどありませんでした。そして私はアーティスト・イン・レジデンスへの応募を始め、カメラを持って街をスキャンし、興味をそそられるものを撮影しました。」[*3]コンラッドにとって、写真撮影は自身が身体的/空間的に体験した建築や都市のあらゆる要素を、文字通りスキャンするかのごとく収集し、写真という2次元に落とし込む行為であった。さらにコンラッドは、そのように撮影した写真を慣習的な方法にのっとってアウトプットするのではなく、再び3次元的に、空間的に還元する方法を模索した。この一連の作品制作のプロセスは、自分自身や空間の知覚を押し広げることを意味していた。そして建築と「空間」に強い興味を持っていたコンラッドは、建築に関連するイメージを「展示会場」という空間の建築と結合し、観るものに新たな経験を与える試みを次々と行った。Installation view ©︎Aglaia Konrad, 2021<新たな空間の発見>このように、都市空間と展示会場を接続させる表現を試みていたコンラッドだったが、次第に新たな「展示会場」として「本」というメディアに着目するようになる。最も最初にその片鱗が垣間見えるのは、1992年にベルギーのハッセルト・プロヴィンシアル美術館とCBKロッテルダムで開催されたグループ展、「Snapshotpolitics - De camera als instrument van de kunst」に合わせて出版された展示カタログである。本書はわずか22ページの冊子のようなカタログだが、コンラッドのページではトレーシングペーパーを重ねることでガラスと写真、風景のレイヤーを表現したユニークなデザインが採用されている。Spread from "Snapshotpolitics - De camera als instrument van de kunst" ©︎IACK, 2021しかし、これはあくまで実際のインスタレーションのミニチュア版として制作された展示の付属物であり、それ自体作品としての本とは言い難い。その特性を最大限に活用した表現が本格的にスタートするのは、彼女が1995年から取り組み始めた一連のアーティストブック・シリーズからである。中でも1998年に制作された『Sao...
¥2,200
ノルウェーの独立系出版社、Multipressが不定期に発行するジンシリーズ、「Angle」の第5号。本号はジェフ・ラッキー(Jeff Luckey)がアメリカのスーパーマーケットで従業員や業者が使用する搬入口を撮影した作品、『Rear-Side Econimies』を収録。 360部限定。ナンバリング入り。 - Title: Angle 5Artist: Jeff LuckeyMultipress, 2015Softcover, 148 x 200 mm24 pagesLimited edition of 360 copies
¥2,200
ノルウェーの独立系出版社、Multipressが不定期に発行するジンシリーズ、「Angle」の第2号。本号はイングリッド・エッゲン(Ingrid Eggen)がオスロのコインラインドリーで収集した綿ごみで制作したスカルプチャー作品、『Condensed』を収録。 360部限定。ナンバリング入り。 - Title: Angle 2Artist: Ingrid EggenMultipress, 2014Softcover, 148 x 200 mm24 pagesLimited Edition of 360 copies
¥2,200
ノルウェーの独立系出版社、Multipressが不定期に発行するジンシリーズ、「Angle」の第19号。本号はチュニジア出身の写真家、モナ・カリー(Mouna Karray)のパフォーマンス作品、『Nobody will talk about us』を収録。 360部限定。ナンバリング入り。 - Title: Angle 19Artist: Mouna KarrayMultipress, 2017Softcover, 148 x 200 mm24 pagesLimited edition of 360 copies