Self Portrait As 47 Pickles by Erwin Wurm

オーストリア人アーティスト、エルヴィン・ヴルムによるアーティストブック。

2008年、EU議会では「キュウリの品質基準を定める規則1677/88/EEC」の廃止をめぐる議論が行われた。キュウリの曲がり具合にまで言及したこの一見ばかげた規則は、EUにおける過剰な官僚主義の象徴とされていた。同年、エルヴィン・ヴルムは《Selbstporträtall Gurken（Self-portrait in Pickles）》と題したインスタレーション作品を発表している。

本書に収められたキュウリは一見すると本物のように見えるが、実際には実物から型を取ったアクリル製のピクルスに彩色を施して制作されたもの。どこか間の抜けたような佇まいを見せるこの作品には、オーストリアの田舎で冬を越すための保存食としてソーセージと並び人々の暮らしを支えてきたこの小さな食材への、歴史的かつ時事的な視線、そしてユーモアたっぷりのセルフポートレートとしての威厳が込められている。

なお現在のEUでは、キュウリは曲がっていても、まっすぐでも自由に生育することが認められている。

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Title: Self Portrait As 47 Pickles
Artist: Erwin Wurm
Publisher: RVB Books, 2020
Format: Hardcover
Size: 130 × 180 mm
Pages: 96
Edition: First edition
ISBN: 978-2-492175-00-8
Price: ¥5,500