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例年になく早い梅雨入りとなりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。本日は先日入荷した新刊をご紹介いたします。---Saturated Light by Wolfgang Tillmans昨年行われた、新型コロナウイルスの影響下にある文化施設を支援するためのキャンペーン、「2020Solidarity」も記憶に新しい、写真家のウォルフガング・ティルマンス(Wolfgang Tillmans)による作品集です。本書は、ティルマンスが30年近くに渡り取り組んでいる抽象写真作品シリーズ、『Silver』に焦点を当てています。あまりにも抽象的で、初めて見る方はこれが写真だとは思わないのではないでしょうか。本作は実際にカメラを使った撮影は行わずに、暗室で光や感光乳剤を用いて印画紙を直接露光させて制作されています。カメラを使わずに写真を暗室で制作する伝統的技法をより大胆に拡張したこの実験の数々が、のちの世代に与えたインパクトは計り知れません。抽象写真は抽象絵画に比べてより化学的/光学的側面が強く、また僕たちは写真=記録物という前提を持っているため、時に何も映っていない写真の中にも景色や何らかのイメージを見てしまうという錯覚を利用している(?)ところも面白いです。ティルマンスに興味を持った方にはこちらの作品集「Today Is The First Day」もオススメです。写真家としての活動にとどまらず、舞台監督、ミュージシャン、アクティビストとして、社会と芸術に対して真摯に向き合い続ける作家としてのティルマンス像が浮かび上がります。大ボリュームかつ、お値段もお手頃なのも嬉しいです。商品ページはこちら。Außenprojekte / Projects For Outside by Isa Genzkenこちらはドイツ人アーティスト、イサ・ゲンツケン(Isa Genzken)による作品集です。ゲンツケンはハンブルグとベルリンの大学で美術を学び、その後ヨーゼフ・ボイス(Joseph Beuys)やゲルハルト・リヒター(Gerhard Richter)、ベルント&ヒラ・ベッヒャー(Bernd and Hilla Becher)、ベンジャミン・ブクロー(Benjamin H. D. Buchloh)らが教鞭をとるデュッセルドルフ芸術アカデミーに進みました。ミニマルな作風でデビューしましたが、のちに様々なメディアを使用した力強い作風へと変化します。本書は屋外で展開されてきたゲンツケンの彫刻作品、全42作を包括的に紹介。実際の制作以前の段階に行われるスケッチやコラージュ、図面に加え、作品が設置された際の記録写真も豊富に収録しています。実はゲンツケンとティルマンスは交流があり、2001年にはドイツのケルンに位置するルートヴィヒ美術館で協同のインスタレーション作品を制作しています。肩書きは違えど、両者の社会に対する姿勢やスケール感は、どこか通じるものを感じさせますね。彫刻という枠組みを超え、芸術作品を通して社会との対話を試みる作家の姿を是非ご覧ください。商品ページはこちら。Assemblage 6, Unlearning by Faye Toogood イギリス人アーティスト/デザイナーであり、ファッションブランド「Toogood」の共同設立者であるフェイ・トゥーグッド(Faye Toogood)による作品集です。 本書はワイヤーやボール紙、テープ、キャンバスなど、トゥーグッドのスタジオにある日常的な素材を使い制作された約300点の椅子やランプ、スツール、ソファーベッドなどの模型が収録されています。実際の作品が完成するまでにどのようなアイディアが生まれ、そして取捨選択の末に手放されているのか。本書では最も純粋な形で受肉化したアイディアの数々と、作家の舞台裏の試行錯誤の痕跡を追うことができます。シンプルに、ページをめくっているだけで面白いというのがまず最初に抱いた感想でした。最終的に形になった作品が全てなのか、それともコンセプトやそれまでのプロセスが作品なのかを問われている気もします。アイディア・ソースとしてもいい一冊です。プロセスという点ではオスロを拠点に活動するスヴェイン・ファンナー・ヨハンソン(Sveinn Fannar Jóhannsson)の作品集を、そしてオブジェとしてはどこかサイ・トゥオンブリー(Cy Twombly)の彫刻にも似たものを感じました。 商品ページはこちら。Multiples, Inc. 1965-1992「Multiples, Inc.」は、現在ギャラリストとして Marian Goodman Galleryを営むマリアン・グッドマン(Marian Goodman)を含む5人によって1965年に設立された美術出版社であり、1966年から1992年に解散する30年近くもの間、20世紀で最も重要なアーティストたちのエディションを出版し、アート界に大きな影響を与え続けた。本書はニューヨークの「Marian Goodman Gallery」で開催された展覧会『MULTIPLES, INC. Artists & Photographs』に伴い刊行されました。「作品としての作品集」という考え方やアーティストブックに興味がある方には大変オススメな一冊となっております。こちらに関しては機会があればまた別記事でもご紹介したいと思います。「1960年代はマルチプル作品の時代であった。芸術作品は唯一無二のものではなく、新しい素材や現代の製造技術を用いて作られた複数のエディションが存在するものと考えられていた。エディション出版は芸術作品の低価格かつ民主的な流通を可能にし、アート界で今起きてることをより広くオーディエンスに伝えることができるようになった。1960年代にアメリカやヨーロッパから登場した多くの出版社の全てが活動を長期的に続けたわけではなかったが、「Multiples,...
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ディック・ヒギンズ(Dick Higgins)とウルフ・フォステル(Wolf Vostell)の編集により、1969年に出版された作品集、『Fantastic Architecture』の復刻版。FLUXUSの共同創設者のひとりであるヒギンズと、ドイツ人アーティストのフォステルが編集した本書は、当初ドイツ語版が『Pop Architectur』というタイトルで出版され、1970年の英語版で現在の『Fantastic Architecture』というタイトルになった。ジョン・ケージ(John Cage)やバックミンスター・フラー(Buckminster Fuller)、クルト・シュヴィッタース(Kurt Schwitters)、ヨーゼフ・ボイス(Joseph Beuys)など、1960年代以前の様々なアーティストや思想家の著作やプロジェクトを通して、ポップ・アートと建築の境界を探究している。収録作家Ay-O, Joseph Beuys, Erich Buchholz, Pol Bury, John Cage, Philip Corner, Jan Dibbets, Robert Filliou, Buckminster Fuller, Geoffrey Hendricks, Richard Hamilton, Raoul Hausmann, Michael Heizer, Jan Jacob Herman, Bici Hendricks, Dick Higgins, K.H. Hoedicke, Hans Hollein, Douglas Huebler, Milan Knizak, Alison...
¥4,290
2022年9月10日から2023年1月8日にかけて、オランダのアーメルスフォールトに位置する美術館、クンスタール・カーデ(KUNSTHAL KAdE)で開催される展覧会、「Brick | Baksteen」に合わせて制作された展示カタログ。タイトルと造本からも分かる通り、本作と本展は5000年以上に及ぶ歴史を持つ安価で汎用性の高い素材であるレンガに着目。ソル・ルウィット、ペーター・フィッシュリ&ダヴィッド・ヴァイス、マルセル・デュシャン、ミヒャエル・ボレマンス、ヨーゼフ・ボイス、カール・アンドレ、フランシス・アリスらをはじめとしたオランダ国内外の50名を超えるアーティスト、建築家、デザイナーたちによる、レンガに関するユニークな作品の数々を収録している。内容のみならず、レンガを模した造本は眺めているだけで思わず楽しくなります。-Title: Brick | BaksteenAuthor: J. Glasener, J. van Meeuwen, R. RossKunsthal KAdE, 2022Hardcover220 x 110512 pagesText in Dutch¥4,290 -
¥5,060
ベルリン在住のキュレーターであり、1981年から2014年にかけて音楽とアートが交差するような作品を扱うギャラリー兼レコードショップ「gelbe Musik」を経営していたアースラ・ブロック(Ursula Block)と、1980年初頭以来、彼は視覚芸術、音楽、映画、言語の間の交わりを探求する何十もの展連会を企画してきた美術史家/ライターのミハエル・グラスマイアー(Michael Glasmeier)により編集された作品集。『Broken Music』はDAADによって1989年に出版された作品集であり、本書はその復刻版にあたる。第二次世界大戦から1989年の間に数千人のアーティストによって行われた録音、レコード・オブジェクト、レコード・アートワーク、レコード・インスタレーションに焦点を当てており、ビジュアル・アーティストたちによって作成されたレコードを知る上で必須の概論集となっている。本書は大きく分けて以下の4つのカテゴリーから構成される。(1)ヴィジュアル・アーティストのオリジナル作品として制作されたレコードカバー(2)録音物(マルチプル作品/エディション作品/スカルプチャー)(3)レコードや録音された記録メディアを含む本や出版物(4)ヴィジュアル・アーティストの音声や演奏を収録したレコードや記録メディアまた、セオドール・W.アドルノ(Theodor W. Adorno)、ルネ・ブロック(René Block)、ジャン・デュビュッフェ(Jean Dubuffet)、ミラン・クニザク(Milan Knizak)、ラースゾー・モホリ・ナギ(László Moholy-Nagy)、クリスティアン・セイファート(Christiane Seiffert)、ハンス・ルドルフ・ツェラー(Hans Rudolf Zeller)によるエッセイや、アルディッティ弦楽四重奏団演奏による『Broken Music』を収録したソノシートが付属。収録作家Vito Acconci/albrecht/d./Laurie Anderson/Guillaume Apollinaire/Karel Appel/Arman/Hans Arp/Antonin Artaud/John Baldessari/Hugo Ball/Claus van Bebber/John Bender/Harry Bertoia/Jean-Pierre Bertrand/Joseph Beuys/Mel Bochner/Claus Böhmler/Christian Boltanski/KP Brehmer/William Burroughs/John Cage/Henri Chopin/Henning Christiansen/Jean Cocteau/William Copley/Philip Corner/Merce Cunningham/Hanne Darboven/Jim Dine/Marcel Duchamp/Max Ernst/Lawrence Ferlinghetti/Fischli and Weiss/R. Buckminster Fuller/Allen...