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Neue Welt by Wolfgang Tillmans
¥27,500
ドイツ人写真家、ヴォルフガング・ティルマンスによる写真集。 ティルマンスは20年以上にわたり、同世代のアーティストの中でも類を見ないほど幅広い方法で写真というメディウムを探究してきた。友人たちを撮影したスナップショットから、カメラを使わず暗室で制作された抽象的なイメージ、さらにはコピー機を用いた作品に至るまで、彼は写真のプロセスを多様なかたちで限界まで押し広げてきた。 本書は、TASCHENから刊行された彼にとって4冊目の写真集であり、それまで数年間にわたり続けてきた写真というメディウムそのものへの自己言及的な探究から一歩距離を置き、レンズを外の世界へと向けた作品群で構成されている。ロンドンやノッティンガムから、フエゴ島、タスマニア、サウジアラビア、パプアニューギニアに至るまで、撮影地は多岐にわたる。ティルマンスはこの新たなフェーズについて、「カメラが自分に何をしてくれるのか、自分がカメラに何をしてやれるのかを試しているだけ」と簡潔に語る。その結果生まれたのは、世界各地の異なる場所で生きる「いま」の生活を、複数の視点と角度から捉えた、力強く唯一無二のヴィジョンである。彼はまた次のようにも述べている。「私の旅には目的地や明確な成果はない。あらかじめ決められた結果を探しているわけではなく、ただ、自分が生きているこの時代について何かを語りかけてくる被写体に出会えることを願っているのだ」 チューリッヒ美術館館長であるベアトリクス・ルフとティルマンスによる対談テキストも収録。 その後の現代写真の流れを決定づけた写真史における金字塔であり、最重要作品。 - Title: Neue WeltArtist: Wolfgang TillmansPublisher: TASCHEN, 2012Format: SoftcoverSize: 210 x 275 mmPages: 272Language: English / French / GermanEdition: First editionISBN: 978-3-8365-3974-6 Condition: Good/経年並みのキズ、染み、ヤケ、小オレ。
Truth Study Center by Wolfgang Tillmans
¥15,800
ドイツ人写真家、ヴォルフガング・ティルマンスによる写真集。 本書は、普遍的な真理を見出したいという私たちの欲望と、それが不可能であるというパラドックスを、皮肉を込めて参照するプロジェクトである。官能的なヌード・スタディから、金星が太陽面を通過する様子を捉えた天文学的イメージに至るまで、私的な視点と科学的・宇宙的スケールを横断するイメージ群が収録されている。 デジタル転向以前のティルマンスの実践を背景にしながら、写真を「真実」や「情報」として読むこと自体への問いを提示する構成。 ティルマンス本人による編集。絶版希少本。 - Title: Truth Study CenterArtist: Wolfgang TillmansPublisher: TASCHEN, 2005Format: SoftcoverSize: 225 × 300 mmPages: 200Language: EnglishEdition: First editionISBN: 978-3-8228-4640-7 Condition: Good/経年並みのスレ、キズ、ヤケ、シミ、小めくれ。一般的な古本コンディション。
Wolfgang Tillmans: Nothing Could Have Prepared Us – Everything Could Have Prepared Us
¥9,350
ドイツ人写真家、ヴォルフガング・ティルマンスによる作品集。 2025年6月13日から9月22日まで、ポンピドゥー・センターはティルマンスに「カルト・ブランシュ(自由裁量)」を与え、館内プログラムの締めくくりとして大規模なプロジェクトを開催した。公共情報図書館(BPI)の2階全体を用いた実験的インスタレーションは、空間を根本から変容させ、かつての図書館と対話を築き上げている。建築として、また知識伝達の場としてのあり方を問い直しつつ、35年以上にわたる芸術実践を多様な写真ジャンルを通して探究し、図書館空間に呼応するかたちでティルマンス自身の世界観を提示した。 本書は、このユニークなプロジェクトの軌跡を収録。図版セクションでは、作品図版と多数のインスタレーション風景が交互に展開され、ティルマンスがどのように空間を「自らのもの」としたのかを示す。さらに若手世代の著者たちによる多彩な論考が収められ、ティルマンスの仕事に新たな光を投げかけている。 5年間に及ぶ大規模改修工事を前にした、ポンピドゥー・センター閉館直前の最後のプロジェクト。現代写真を牽引するティルマンスによる大胆かつ繊細な試みを、272ページ・600点以上の図版で堪能できる一冊です。 - Title: Nothing Could Have Prepared Us – Everything Could Have Prepared UsArtist: Wolfgang TillmansEditor: Florian Ebner and Olga Frydryszak-RétatDesigner: deValence, Lyosha KritsoukPublisher: Spector Books, 2025Format: Softcover with flaps, thread-sewnPages: 272, over 600 colour illustrationsSize: 220 × 280 mmLanguage: EnglishEdition: First editionISBN: 9783959059213Price: ¥9,350 Article: 変容するイメージ、横断する領域──ヴォルフガング・ティルマンスと現代写真...
変容するイメージ、横断する領域──ヴォルフガング・ティルマンスと現代写真
現代写真に関心を持つ人なら、一度はヴォルフガング・ティルマンスの名前を耳にしたことがあるだろう。 「現代写真はティルマンスに始まり、ティルマンスに終わる」 そういっても過言ではないほど、ティルマンスは90年代から現在に至るまで、常にその時代の視覚文化を更新し続けてきた。一時代を象徴する写真家は他にもいるが、常に時代と呼応し続ける存在は彼をおいてほかにない。 IACKは現代写真を中心に扱うことを掲げているにもかかわらず、長らく彼の作品集の在庫を欠いていた。そのことにぼく自身、違和感を覚えていた。そこで今回は、新たに入荷したティルマンスの作品集3点を通して、その魅力の一端に触れていきたい。 ヴォルフガング・ティルマンスという作家 ティルマンスと聞いて、まず何を思い浮かべるだろうか。 ユースカルチャーやセクシュアルマイノリティを扱った写真、天体のように配置されるインスタレーション、壁に直貼りされたプリント、暗室で生み出された抽象写真、デジタル写真の可能性を早くから提示した作品群、社会問題に直接向き合う活動、映像や音楽──。思い浮かぶ作品を列挙するだけでも、彼がいかに多彩で多作な作家かが分かる。 1968年ドイツ・レムシャイト生まれ。現在、ベルリンとロンドンを拠点に活動。英国ボーンマス&プール・カレッジを1992年に卒業した後、パープル誌などのファッション雑誌に現代美術家として戦略的に写真作品を掲載。壁に直接写真プリントを貼る独自のインスタレーション展示や、同世代の若者やカルチャーそしてセクシャルマイノリティに目を向けた作品などで注目され、2000年には写真を主な表現手段とするアーティストとしては初めてとなるターナー賞を受賞。カメラを通じて現代社会の様々な側面を切り取りながら芸術の可能性を追求している。近年は音楽活動や社会問題へのアクションにも注力。自身がディレクションを手掛ける写真集や展覧会カタログも精度が高い。(作家プロフィール:WACO WORKS OF ART ウェブサイトより) そして作品集は、ティルマンスの活動と切り離せない重要な表現形態だ。活動初期から今日に至るまで、印刷物は彼の核をなすメディアであり、今回入荷した90年代から今日にかけて制作された3冊からも、その特徴を確かに感じ取ることができる。 カタログとアーティストブックの垣根を超えて 『Wolfgang Tillmans: Nothing Could Have Prepared Us – Everything Could Have Prepared Us』(Spector Books、2025) 本書は2025年9月現在、パリのポンピドゥー・センターで開催中の展覧会にあわせて刊行された作品集であり、彼のキャリアを総括するような内容となっている。 ポンピドゥー・センターは1977年開館の世界有数の現代美術館だ。5年にわたる大規模改修工事を前に、ティルマンスは館内で自由にプロジェクトを行う権限を与えられた。その事実だけでも彼の評価の高さが窺える。彼は公共情報図書館(BPI)の2階全体を再構成する大規模インスタレーションを実現し、建築として、また知識の場としての図書館のあり方を問い直した。 本書はそのプロジェクトを余すところなく収録する。作品図版と展示風景を交互に展開し、空間をいかに自らのものとしたかを示す。さらに若手研究者による多様な論考も加わり、ティルマンスの仕事に新たな光を投げかけている。 カタログといえばカタログなのだが、ティルマンスの場合、展示記録として図版や展示風景、論考を収録した典型的な出版物としてのカタログは決して制作しない。そのどれもが、カタログというよりアーティストブックと呼ぶ方が自然である。 前回も述べたが、現代写真集の特徴のひとつに「写真集には作家の意思が強く反映され、構成されるべきである」という考え方がある。ティルマンスが単なる作品コレクションとしてのカタログを制作しないのは、カタログにおいても写真集のように作品としての側面を持つべきだと考えるからである。(1) このような考え方をいち早く示したのが、ティルマンスのキャリアを、そして90年代を代表する写真集のひとつ『Concorde』である。 『Concorde』( Walther König、2025) 『Concorde』は、1997年にロンドンのチセンヘール・ギャラリーで開催された展覧会「I didn’t inhale」にあわせて出版された。現在は運行を停止した超音速旅客機コンコルドを街中からの視点で捉えた本書は、論考やテキストを含まず、シンプルだが練り上げられた順序で写真が配置されている。単にシリーズをまとめた本ではなく、これ自体が作品として構想されている意図が窺える。 このような思想は、それまで出版されてきた、単なる作品コレクションとしての作品集やカタログに対するカウンターとして生まれたとも言える。しかしティルマンスにとって、カタログと写真集の垣根は存在しない。自ら編集・監修を徹底し、展示と同様の哲学を反映させることで、記録を超えた作品へと昇華している。 実際、ティルマンスの代表的な写真集を挙げようとすると、その多くが展覧会にあわせて制作されていることに気づくだろう。現代美術家ならともかく、写真家でありながら、写真集ではなくカタログが代表的になる作家は他にほとんどいない。しかもその理由が「写真集がないから仕方なく」ではなく、作品としての質の高さゆえにである。 今回のポンピドゥー・センターでのカタログも、カタログとしての機能、展示風景、図版、論考を収録しながらも、一冊のアーティストブックとしての完成度を備えている。 展示空間としての作品集 『Wolfgang Tillmans: Things matter, Dinge zählen』(Walther...
예년보다 일찍 찾아온 장마철, 여러분은 잘 지내시고 계신가요?오늘은 최근 입고된 신간을 소개합니다.---Saturated Light by Wolfgang Tillmans지난해에 진행되었던 신종 코로나 바이러스의 영향을 받고 있는 문화시설을 지원하기 위한 캠페인 '2020 Solidarity'도 기억에 남는 사진작가 울프강 틸만스(Wolfgang Tillmans)의 작품집이다.이 책은 틸만스가 30년 가까이 작업해온 추상 사진 작품 시리즈인 'Silver'에 초점을 맞추고 있다. 너무...
現代写真を語るうえで避けては通れない作家の一人、ロー・エスリッジ。 なかでも写真集『Le Luxe』は、新たな写真表現の扉を開いた重要作であり、現在第一線で活動する多くの作家に決定的な影響を与えた。 一方で、近年その名を挙げても実感を伴って受け止められない世代が増えているのも事実で、そこに時代の推移を感じずにはいられない。 先日紹介したダニエル・シェアの『Distribution』とあわせて読むことで、いまの地点からこの本を捉え直せるのではないか。そのような考えが浮かび、数年ぶりに本書を仕入れた。 Roe Ethridge, Le LuxeMACK, 2012 (second edition) 本書は、アメリカ人アーティスト、ロー・エスリッジが2011年にイギリスの出版社MACKから刊行した写真集の第二版である。第一版がブルーであったのに対し、本版は赤いカバーをまとう。 消費社会は、エスリッジの制作に通底する主題だ。2004年に自費出版された『SPARE BEDROOM』の段階で、すでにその主題に対する独自の方法論の骨格は形成されていたと言っていい。 過去およそ10年間に撮影された写真を再構成した『Le Luxe』は、彼が2005年11月から2010年1月にかけて従事した、世界貿易センターに隣接するマンハッタン中心部の建築を記録するコミッションワークを主軸としている。言葉で直接説明されるわけではない。だが読み進めるなかで立ち上がってくるのは、やはり消費社会や資本主義社会の相貌である。 本書においてエスリッジは、それまで断続的に試みてきた方法論を、ひとつのスタイルとして決定的に結晶させた。それは作家性から切り離されたような写真やファウンドイメージを直接的に組み込むことで、「作家」や「作品」をめぐる神話を正面から揺さぶる試みでもあった。 記録としてのコミッションワークが、本書の基底を成している。 エスリッジは自身が仕事として撮影した商業的な写真やファウンドイメージを、いわゆるストレートな写真と混在させ、ページをまたいで複雑なシークエンスを形づくっていく。 この読み解きについては、先日ダニエル・シェアのシークエンス構築を紹介した際の視点を援用すれば、構造はより明確に見えてくるだろう。そのシークエンスの内部に、流れを断ち切るようなコマーシャル的/作品的イメージが差し挟まれることで、本作は安易なジャンル分けから遠ざかっていく。 ドキュメンタリーか。コンセプチュアルか。現代美術か。既存の語彙で定義することはもはや難しい。本書は写真家の営為が「記録」から、広大なイメージの領域を操作することへと移行している事実を、はっきりと示している。 自身の仕事を作品へ取り込んだ例はこれまでも数多く存在する。例えばヴォルフガング・ティルマンスの名前が挙げられるだろう。しかし彼の場合、商業誌で撮影された写真やコマーシャルの文脈にあるイメージであっても、強固な作家性がそれらを「ティルマンスの作品」として包摂する。 結果としてコマーシャルの匂いは薄められ、すべてが「ティルマンス印」の捺された作品へと回収されていくのだ。 Spread from the book "Truth Study Center" by Wolfgang Tillmans強固な作家性によってすべてが「作品」へと回収される。 ではエスリッジの場合はどうか。 彼は写真を作家神話の内部に回収しない。むしろ、コマーシャルの様式の中に位置づけられていると言っても過言ではない。ファッション誌や広告の語法を思わせるイメージは、文脈を移動することで、消費社会そのものへの批評として作用し始める。 ファッション写真はファッション写真のまま、広告は広告のまま置かれる。ティルマンスのように作家性がそれらを統合するのではない。衝突や断絶そのものがページ上に露出する。 それは芸術と商業を融和させる身振りではない。 コマーシャルと作品が分離できないまま併存している現実。それこそが現代性であり、本書はそのイメージ・システムの現状を明確に反映している。この転換は、作家的純度の高さによって価値を保証してきた従来の前提を反転させる。そして同時に、二項対立そのものが効力を失いつつある社会の姿を示す。異質なイメージが並ぶことで、主軸となるいわゆる「作品」的なストレート写真の読みまでもが連鎖的に変化していく。 さらに本書では、アナログとデジタルも未分化のまま共存する。かつては断裂として受け止められた差異を、今日の読者は大きな違和感なく引き受けるだろう。そこにもまた、時間がもたらす読解の更新がある。 Spread from the book "Le Luxe" エスリッジが提示した反英雄的な態度、理想化された作家像へのアンチヒーロー的なスタンスは、その後のアメリカを中心とする写真表現にひとつの基準を与えた。ミクロな政治性や社会性を扱いながら、現実と虚構の境界を前提として引き受ける後の世代の背後には、確かにエスリッジの影がある。 古典の面白さとは、時代が進むことで読み方が変わる点にある。変化に耐え続けるからこそ、作品は古典になっていく。その後に起きた数々の社会的出来事や価値観の転換を経たいま、本書の位置づけもまた更新された。読み返すと、かつてとは異なる像が浮かび上がる。 だからこそ、そしてダニエル・シェアを紹介した後のいまだからこそ、あらためて手に取ってほしい。...
BOOK REVIEW包摂から併存へ──ロー・エスリッジ『Le Luxe』Read BOOK REVIEW旅と写真が出会う場所──「As Seen」シリーズの魅力Read BOOK REVIEW正しさの凡庸を超えて──ダニエル・シェア『Distribution』Read BOOK REVIEW身体感覚、イメージ、距離━━ロイターと海原が捉えた湾岸風景Read BOOK REVIEW「私写真」を再考する──名を失う時代の“私”へRead BOOK REVIEWストロボが照らす廃墟の夢──レティシア・ル・フール『Le Crépuscule des Lieux』Read BOOK REVIEW歴史資料を超えた写真集へ──『Heap-O-Livin': Selections from the Lora Webb Nichols Archive 1899–1962』Read ARTICLE変容するイメージ、横断する領域──ヴォルフガング・ティルマンスと現代写真Read BOOK REVIEW誰のものでもない、「私」の15年──江崎愛 写真集『Archive of affection, obsession』Read BOOK REVIEW気象観測カメラが映し出す自画像─『I on the Road / Weather Camera Self-Portraits』 Read ...
Prospect 96: Photographie in der Gegenwartskunst
¥6,820
1996年3月9日から5月12日にかけてドイツのフランクフルト・シルン美術館(Schirn Kunsthalle)で開催された展覧会、「Prospekt 96. Photografie in der Gegenwartskunst」に合わせて出版された展示カタログ。「現代美術における写真表現」というタイトルが示すように、90年代も半ばに差し掛かりよりコンセプチュアルな写真が世界的に台頭したことで、改めて写真と現代美術における表現の文脈を整理する意図が見られる。キュレーションされた作家の並びや、当時の表現におけるトレンドに目を向けてみても面白い。収録作家Ajamu/Pep Agut/Dieter Appelt/Nobuyoshi Araki/Dominique Auerbacher/Aziz+Cucher/John Baldessari/Lewis Baltz/Oladélé Ajiboyé Bamgboyé/Ellen Brooks/Christopher Bucklow/Heinz Cibulka/Hannah Collins/Thomas Joshua Cooper/John Coplans/Gianluca Cosci/Gregory Crewdson/Hans Danuser/Lynn Davis/Max Dean/Thomas Demand/Stan Denniston/Rineke Dijkstra/Gerald Domenig/John Patrick Dugdale/Lukas Einsele/Jane Eisemann/Olafur Eliasson/Barbara Ess/Alan Fleischer/Michel François/Adam Fuss/Jean Louis Garnell/Gilbert & George/Akira Gomi/Paul Graham/Angela Grauerholz/Andreas Gursky/Robert F. Hammerstiel/Matthias...
OKINAWA 1969–2025
ふたりの写真家が見つめた沖縄
個人的な話になりますが、昨年、人生で初めて沖縄を訪れました。 それ以来、沖縄に強い関心を抱いていたこともあり、かねてより取り扱いのあるフランスのRVB Booksから、沖縄を題材にした写真集が刊行されると知り、入荷を心待ちにしていました。 フランス人アーティスト、ヴィクトワール・ティエレが沖縄と出会ったのは、戦後を代表する日本人写真家・東松照明による写真集『OKINAWA 沖縄 OKINAWA : 写真集 <沖縄に基地があるのではなく基地の中に沖縄がある>』(写研、1969年)を通じてでした。 その写真集をきっかけにティエレは沖縄を訪れ、現代も広がる米軍基地と、それを包み込むような自然の力強さに触れます。小さな島国における領土のせめぎ合いと、それすらも呑み込む自然の存在。ティエレは、東松のイメージを継承しながら、より現代的なアプローチでその姿を捉える方法を模索し始めました。 OKINAWA 沖縄 OKINAWA : 写真集 <沖縄に基地があるのではなく基地の中に沖縄がある> (写研、1969年刊) 彼女はまず、32ヶ所の基地周辺を飛び交う飛行機と自然の風景を撮影しました。粒子が粗く、迫力ある縦構図のモノクローム写真は、東松だけでなく、どこか中平卓馬やウォルフガング・ティルマンスの作品も想起させます。 OKINAWA!! by Victoire Thierrée(RVB Books、2025年刊) さらにティエレは、典型的なドキュメンタリー写真の枠組みにとどまらず、歴史的供述と視覚的内容により深みをもたらすために、植物学者エグバート・H・ウォーカー(1899–1991)の記録をリサーチしました。 ウォーカーは戦後、兵士による採集プログラムの一環として、米軍兵士に自然標本(植物、鉱物、サンゴなど)の採集を促し、その記録を残しています。1951年には、沖縄戦の激戦地を含む地域から8,000点以上の植物標本が収集されたそうです。ティエレはそのアーカイブから40点のハーバリウム標本を選び、同じくモノクロームのフィルムで再撮影しました。 ラフにテープで台紙に貼られた植物たちは、捕虜のようにも、個人の押し花帳やポップなコラージュのようにも見えます。これらの植物が現在も自生しているかは不明ですが、戦後を生き延び、繁殖を続けているかもしれません。また、巻末に収録された、沖縄戦を生き延びた人物とベゴニアの花、そして本にまつわる物語を読むと、この作品全体がある種の「祈り」のようにも感じられてきます。 OKINAWA!! by Victoire Thierrée(RVB Books、2025年刊) 沖縄の政治的側面を見つめ、その現状を捉えるという点では、ティエレの作品は東松照明の姿勢と重なる部分があります。ただし、東松が人々や文化を含む「現場」主義的なアプローチをとったのに対し、ティエレは実地調査を行いながらも、「基地」と「自然」というスケールの大きな対象に焦点を当て、外部の視点を受け入れつつその姿を捉えています。 同じ「調査」であっても、前者は報道的な調査、後者はリサーチとしての調査というべきでしょう。それぞれの立場でしか見えない視点があること、そしてどちらが正しいというものでもないことは、両者を並べて見ることで一層明確になります。 異なる時代、2冊の「Okinawa」 写真史における歴史的重要作と、過去と現在、記録と自然、占有と回復のあいだにある静かな対話に挑戦した現代の意欲作です。 2冊が揃ったこの機会にどうぞご高覧ください。 - OKINAWA!! by Victoire Thierréehttps://www.iack.online/products/okinawa-by-victoire-thierree OKINAWA 沖縄 OKINAWA : 写真集 <沖縄に基地があるのではなく基地の中に沖縄がある>https://www.iack.online/products/okinawa-okinawa-okinawa
(Signed) Portrait of J by Takashi Homma
¥13,200
日本人写真家、ホンマタカシによる写真集。 本作は、2002年から近年までの間に撮影された111人の日本人のポートレイトを収録。プリツカー賞受賞建築家である磯崎新や、伝説的写真雑誌 『PROVOKE』の共同発案・創刊人である写真家・中平卓馬など、作者にとって「メンター」である人物から受けた影響に敬意を表しながら、同時に現在も活躍するあらゆる世代の幅広い職業や人生経験を写し取り、ポートレートという形で表現している。静けさの中から滲み出る強度と紛れもない清澄さを携え、現代日本における社会的かつ文化的構造を形成する「顔」が見せる日常的かつ非凡な相貌をじっくり見つめ、深く考察するよう我々を誘う。 これまでの40年間、作者はさまざまな作品を生み出し、今日の日本の写真界で最も影響力のある人物の一人となった。『東京郊外 TOKYO SUBURBIA』(1998年、光琳社刊)における東京の郊外風景を追った初期の作品から、建築、自然、都市の歴史をコンセプチュアルに探った作品群まで、視覚文化における写真が持つ役割に常に挑み、拡張させ続けている。作者の影響は日本のみならず国外にも及び、展覧会や出版物は、アイデンティティ、場所、そして写真集が物語る視覚言語の進化を取り巻く世界的な対話の発生や発展に貢献している。 日本は、その美学、伝統、技術革新によって、アメリカ、ヨーロッパ諸国のみならず、世界中の人々を魅了してきた。しかし日本人の生活の実態は、しばしば理想化され、誤解され、見逃されてもいた。本書は、一人の日本人写真家が自らの作品を通して、直接かつ意図的、内省的に語る場をもたらし、地に足のついた本物の現代日本の肖像を提示するという点で、とりわけ意義深い一作となっている。 作家によるサイン入り。 - Title: Portrait of JArtist: Takashi HommaPublisher: Dashwood Books/Session Press, September 2025Format: HardcoverSize: 200 × 280 mmPages: 232Language: Japanese / EnglishEdition: First edition, signed by the artistPrice: ¥13,200