Archives
Wrapped Up in Books
|
この度IACKは、サンクトペテルブルク在住のエストニア人アーティスト、ユリア・バリサヴァによる展覧会を開催いたします。
バリサヴァは写真、コラージュ、インスタレーションなどの手法を組み合わせた手製のアーティストブックを通して、実在の人物や史実における物語を再解釈する作品を制作するアーティストです。インディペンデントな活動/制作方法にも関わらず、その唯一無二の世界観と高いクオリティの作品は多くの人の心を掴み、作品はこれまでにロンドンのテートモダン美術館やヴィクトリア&アルバート博物館、サー・エルトン・ジョン写真コレクションにも収蔵されています。
当展では今日までにバリサヴァが制作した作品集群、そして昨年自費出版されたアーティストブック『He Had a Hat』から派生した来場者参加型作品の展示をおこないます。『He Had a Hat』は、作家がこれまで数多く収集し、過去の作品でも印象的なモチーフとして登場する「ハット(帽子)を被った人物」の写真と改めて向き合う中で、実は無意識のうちにそこに記憶の中の父の姿を重ねていたのかもしれないという発見をきっかけに制作された作品です。
そのアーティストブックを発展させた当作品では、来場者は持ち寄った「ハット(帽子)」に関する写真や切り抜き、ポストカード、ドローイング、コラージュなどのマテリアルを、会場に設置された帽子箱の中に入れられた作家のプリントと交換できます。そして会期終了後には収集されたマテリアルをもとに、バリサヴァは新たなアーティストブックを制作する予定です。当作品が持つ一連のプロセスは、作品が作家の私的な領域と普遍的な領域を行き来する様を反映するとともに、文化的背景や距離、そして時代をも超越した重層的なコミュニケーションを生み出すでしょう。
会場では一部の絶版本を含むバリサヴァの作品集も販売いたします。この機会にどうぞご来場ください。
-
Wrapped Up in Books
Julia Borissova
会期:2022年7月30日(土) - 8月14日(日)*第一週は水木、第二週は月火休業
営業時間:平日12:00-17:30/土日祝12:00-19:00
会場:IACK
問い合わせ:info (at) iack.studio
【参加型作品へのご参加方法】
「ハット(帽子)」に関する写真や切り抜き、ポストカード、ドローイング、コラージュなどのお好きな素材を会場にお持ちいただくことで、作家のプリント一点と交換できます。参加費は無料で、会期中どなたでもご参加いただくことができます。集められた素材は会期終了後に作家の元に渡り、それらをもとに新たな作品集が制作されます。マテリアルをお持ちいただいた方は店主までお声がけください。
プリント枚数には限りがございます。配布枚数終了の際は何卒ご了承ください。なお、作家のプリントが無くなった後も、帽子に関するマテリアルの募集は会期中継続して行います。
*ご来場における注意事項
ご体調の優れない方はご来場をご遠慮ください。また、ご来場の際はマスクの着用、ならびに入店時の手指の消毒にご協力をお願いいたします。以上をお守りいただけない方はご入店をご遠慮いただく場合がございます。何卒ご了承ください。
-
Julia Borissova/ユリア・バリサヴァ
エストニア出身、サンクトペテルブルク在住。実在のさまざまな人物や史実における物語を、写真、コラージュ、インスタレーションなどの手法を用いた手製のアーティスト・ブックを通して再解釈する作品を制作する。インディペンデントな活動/制作方法にも関わらず、その唯一無二の世界観と高いクオリティの作品は多くの人の心を掴み、作品はこれまでにロンドンのテートモダン美術館やヴィクトリア&アルバート博物館、サー・エルトン・ジョン写真コレクションにも収蔵されている。