¥55,000
Sao Paulo
アグライア・コンラッドが1995年から98年にかけて、特定の都市をテーマに制作していた自費出版シリーズより、『Sao Paulo』。
当時はサンパウロの写真から構成された本書と、メキシコシティの写真をまとめた『Mexico City』の2タイトルのみが制作されたが、本を一種の展示空間/表現形態と捉えるコンセプトは、その後2003年から2004年に7部のみ制作された12冊組アーティストブック、『Copy Cities』へと継承される。
本作では、以降のコンラッドの写真作品には強く感じられる撮影者の存在は影を潜めており、鋭く、機械的な視線でサンパウロの街が捉えられている。そして、シンプルながらもイメージの反転や独自のシークエンスを用いることで、まるで未知の都市に迷い込んだかのような感覚を引き起こさせる一冊となっている。サンパウロやメキシコシティの写真自体はのちに出版された『Elasticity』でも目にすることが出来るが、断片的に様々な都市の写真が混在する『Elasticity』と本書とでは編集方法が全くと言っていいほど異なっており、そこには写真を完結させることなく次々と発展させていくコンラッドの真髄が顕著に現れている。
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Title: Sao Paulo
Artist: Aglaia Konrad
Self published, 1998
Softcover, saddle stitched
297 x 210 x 20 mm
34 pages
First edition
¥55,000 -