(日本語原文冊子付き) Silent Histories by Kazuma Obara
日本人写真家、小原一真による作品集。
太平洋戦争の犠牲者たちの所有する写真や当時の資料、そして作家が撮影した写真と取材文を組み合わせることで、歴史の陰に黙殺されてきた者たちの声を重層的に表現した一冊。近年の国内ドキュメンタリー写真の一つの方向性を決定づけた重要作であり、ジャーナリズムという枠組みを越え、世界中の写真家たちに多大な影響を与え続けている。
「太平洋戦争における米軍の無差別爆撃は日本の本土に残る33万の人々を殺し、43万人を負傷させた。 970万人にのぼる人々と223万の家屋が被災し、日本の200以上の都市が致命的な損害を受けた。その途方もない被害の中で、当時6歳だったある女の子は左足を失った。生まれて2時間しか経過していない赤ちゃんの左足を焼夷弾の炎が襲った。ある男の子は全身に火傷を負い、また、ある女の子は一瞬にして家族 6人を失い孤児となった。
戦後、日本は焼け野原から世界有数の経済大国に発展した。その驚くべき成長は「東洋の奇跡」とまで言われた。しかし、そんな輝かしい経済成長の影で、子どもたちは傷痕を見られないように、そのハンデによって人に迷惑をかけないように、一生懸命その痛みを隠しながら、ひっそりと生きてきた。
国への補償を求める犠牲者たちの被害の証拠を示す資料として2014年に最高裁に提出された手製の写真集は、その後45部のみ製作された。2015年には普及版としてスペイン・メキシコをベースとする出版社EDITORIAL RMから1900部が出版された。」ー 小原一真
日本語原文冊子が付属。
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Title: Silent Histories
Artist: Kazuma Obara
Editorial RM, 2015
Hardcover, 256 x 180 mm
162 pages
Text in English *日本語冊子付き
¥12,000 + tax