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視覚と言葉のあいだをさまよう──ジェイソン・フルフォードの写真集

今回の記事では、「綿密に計画された偶然」が詰まった2006年の名作と、その制作背景を読み解くガイドブックをご紹介します。

 

「ジェイソン・フルフォードとは?」

ジェイソン・フルフォードは1973年アメリカ生まれの写真家。出版社「J&L Books」の共同設立者であり、写真家としてだけでなく、編集者・デザイナー・教育者としても活躍。彼の作品は、視覚言語としての「写真」を多角的に探求する姿勢に貫かれています。

今回ご紹介するのは、2006年に出版された彼のキャリア3冊目となる写真集です。1997年から2005年にかけて世界各地で撮影された写真から構成されており、ジャンルや物語を横断するような自由な編集がなされています。

 

 

Jason Fulford『RAISING FROGS FOR $$$』(2006年)

  綿密に計画された出来事が、それでもなお予測不可能であり続けるというアイデアが好きなんだ」

まるで一冊の中にいくつもの異なる本が詰め込まれているような感覚を覚えることでしょう。ページをめくるたびに、過去の記憶や未知の物語が立ち上がってはすり抜けていくような、不思議な浮遊感が漂います。見る者の解釈に委ねられた断片の連なりは、写真のもつ「語らなさ」が、むしろ豊かに世界を語るということを思い出させてくれます。

 

Notes on Fulford’s RAISING FROGS FOR $ $ $

Jason Fulford『Notes on Fulford’s RAISING FROGS FOR $ $ $』(2011年)

 

また、2011年に出版された冊子『Notes on Fulford’s RAISING FROGS FOR $ $ $』は、上記写真集のガイドブックとして位置付けられており、フルフォード自身の編集思考や制作プロセスが垣間見える貴重な資料です。

写真集の編集や構成に関する実践的な手がかりが詰まっており、写真集制作を志す人や、教育・研究目的で学びたい方にとても価値ある一冊です。

 

こんな方におすすめ

  • 写真集制作に興味がある方
  • 写真のシークエンスや構成に関心がある方
  • 視覚言語?と疑問や興味を抱いた方

ご購入はこちら 商品ページを見る

JasonFulford #写真集 #フォトブック #写真集レビュー #IACK

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【イベント出展】TOKIO ART BOOK FAIR 2025

IACKは、5月2日から4日にかけて東京都の芝パークホテルで開催されるアートブックフェア「TOKIO ART BOOK FAIR」に参加いたします。

本イベントは招待制の出展形式を採用し、「Library Hotel」をコンセプトに掲げる芝パークホテルの空間を活かしながら、国内外のインディペンデント出版シーンの紹介や、参加者同士の交流の促進を目指しています。

IACKは、設立当初より取り扱いを行っているロンドンの Overlapse、そして店主の河野幸人が作家として縁のあるイギリス・ブライトンの Jane & Jeremyとともに出展いたします。

どちらも、継続的な活動を唯一無二の写真集の制作を行う出版社です。ぜひゴールデンウィークは芝パークホテルに足をお運びください。

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TOKIO ART BOOK FAIR 2025 by TOKYO ART BOOK FAIR
会期:2025年5月2日(金)- 4日(日)
会場:芝パークホテル
住所:東京都港区芝公園1-5-10

開催時間
5月2日(金)13:00〜19:00
5月3日(土)12:00〜19:00
5月4日(日)12:00〜19:00

※最終入場は各日閉場の30分前まで

入場チケット
一般:1,500円
25歳以下:1,000円
19歳以下:無料

※チケットは完全予約制です。
※会場での当日券の販売はございません。
※チケットは4月10日(木)12:00より発売開始予定です。

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【イベント出展】TOKIO ART BOOK FAIR 2025

IACKは、5月2日から4日にかけて東京都の芝パークホテルで開催されるアートブックフェア「TOKIO ART BOOK FAIR」に参加いたします。

本イベントは招待制の出展形式を採用し、「Library Hotel」をコンセプトに掲げる芝パークホテルの空間を活かしながら、国内外のインディペンデント出版シーンの紹介や、参加者同士の交流の促進を目指しています。

IACKは、設立当初より取り扱いを行っているロンドンの Overlapse、そして店主の河野幸人が作家として縁のあるイギリス・ブライトンの Jane & Jeremyとともに出展いたします。

どちらも、継続的な活動を唯一無二の写真集の制作を行う出版社です。ぜひゴールデンウィークは芝パークホテルに足をお運びください。

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TOKIO ART BOOK FAIR 2025 by TOKYO ART BOOK FAIR
会期:2025年5月2日(金)〜4日(日)
会場:芝パークホテル
住所:東京都港区芝公園1-5-10

開催時間
5月2日(金)13:00〜19:00
5月3日(土)12:00〜19:00
5月4日(日)12:00〜19:00

※最終入場は各日閉場の30分前まで

入場チケット
一般:1,500円
25歳以下:1,000円
19歳以下:無料

※チケットは完全予約制です。
※会場での当日券の販売はございません。
※チケットは4月10日(木)12:00より発売開始予定です。

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Book Review: "Dry Eye Dripping Stone" by Line Bøhmer Løkken

「おすすめの一冊はありますか?」─ 接客をしていてよく受ける質問のひとつだ。

仕入れは自身の判断で行っているので、どの本も良い、もしくは良さそうだと思って仕入れている。だから、店頭に並んでいるものはすべておすすめの本ということになる。だけどそれだと答えにならないので、以上を伝えた上で、お客さんの好みから判断して提案したり、新刊や定番タイトルから薦めることが多い。


1 BOOKsの場合、この文章がぼくの代理になるので、そのようなおすすめの仕方はできない。だからこの企画では、より個人的な視点でその都度おすすめしたい一冊を選んでいる。今回は、2017年にIACKを設立してから取り扱っているノルウェーの独立系出版社「Multipress」より、昨年11月に出版されたノルウェー人写真家、リーナ・バーマ・ロッケンの最新刊をご紹介したい。

 

Spread from the book "Dry Eye Dripping Stone"

数年前のこと、視神経周辺の腫瘍のため、ロッケンの娘は片目の視力を失ってしまった。この出来事をきっかけに、ロッケンは写真家としての自身のあり方を問い直すこととなる。その末に彼女は、写真が有するふたつの視線 ─「光学的な視線」と、「触覚的な視線」について考えるようになった。

前者はレンズや肉眼を通した光学現象としての視線、後者は広義の印刷物として、質感や手触りを伴う視線=イメージを指していると思われる。そして、長きにわたり取り組んできた写真集というメディアで、ロッケンは後者の写真の触覚性を、伝統的な写真の記号論的、視覚的物語と融合させようと試み始めた。

 


Spread from the book "Dry Eye Dripping Stone"

本書が娘に捧げられた作品であることは、収録された短いあとがきからも知ることができる。娘に宛てたその文章で、あなたはカメラのような存在に変化したのだと、ロッケンは書いている。


彼女の使用するアナログカメラは、モニターを見ながら撮影する昨今のデジタルカメラやスマートフォンとは異なり、撮影者が片目でファインダーを除き、文字通り「一眼」のレンズで捉えた像が定着する。本書に収録された写真は、娘と同じように片目で見た光景であり、読者は多層的に保管されたロッケンの記憶の風景に触れ、その存在を手と目で確かめながら本書を読み進めていく。

 

Spread from the book "Dry Eye Dripping Stone"

同じく娘を持つ父親として、そして写真家として、当人同士の直接的なコミュニケーションではなく、作品を通して何かを伝えることについて、近年考える機会が増えた。その視点から本作を見たとき、批評性や美しさを超えたところにある、芸術の可能性や意義を強く実感させられる。

ロッケンの作品は年々シンプルに、削ぎ落とされ、研ぎ澄まされている。本書も個人的な出来事を扱いつつも、その困難を包み込むような暖かさと、写真作品としての力強さを持っている。1ページ1ページをそっとめくりながら、噛み締めるように読んでみて欲しい一冊です。


河野幸人(写真家/IACK)
2025年1月11日「1BOOKs」に寄せたテキストより。

 

Title: Dry Eye Dripping Stone 
Artist: Line Bøhmer Løkken
Multipress, 2024
Hardcover
215 x 290 mm
96 pages
Text in English
First edition of 300 copies
¥7,590-

https://www.iack.online/products/signed-dry-eye-dripping-stone-by-line-bohmer-lokken

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【1月11日(土)より】"1 BOOKs" at CANDLE CAFE & Laboratory ΔΙΙ, Tokyo

1月11日より、都内のCANDLE CAFE & Laboratory ΔΙΙで開催されるイベント「1 BOOKs」に出展いたします。

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1/11(土)から2/11(火)の期間、∆IIに「1 BOOKs」と言う名の本屋が再びオープンします。
どのような本屋かというと、書店だったり本に関わる方々が「私が勧める1冊」という条件のもと、1冊だけ選書し販売をするので、まさに「一冊入魂」が集まった本屋となります。

◼︎flotsam books
◼︎HeHe
◼︎IACK
◼︎POETIC SCAPE
◼︎POST
◼︎TISSUE PEPARS
◼︎twelvebooks
◼︎夢眠書店
◼︎888books

が本を選書し、それぞれの本の解説はもちろんのこと、この本を選んだ理由なども読み取れる内容となりますので、本が好きな方だけでなく、様々な方が楽しめる内容になると思っています。
※選書理由は会場でしか読めません。

そして今回はフォトグラファーの石田真澄、Yuichiro Nodaの2人も参加し、本と同様にそれぞれ写真作品1点のみの展示と販売も行います。

皆様が素敵な1冊と作品に出会えますように。

PROFILE
◼︎flotsam books
https://www.instagram.com/flotsambooks

◼︎HeHe
https://www.instagram.com/hehe_press

◼︎IACK
https://www.instagram.com/iack.studio

◼︎POETIC SCAPE
https://www.instagram.com/poetic_scape

◼︎POST
https://www.instagram.com/post_books

◼︎TISSUE PEPARS
https://www.instagram.com/tissue_papers

◼︎twelvebooks
https://www.instagram.com/twelvebooksdistribution

◼︎夢眠書店
https://www.instagram.com/yumemibooks

◼︎888books
https://www.instagram.com/888books_pearl_bg

◼︎石田真澄
https://www.instagram.com/8msmsm8

◼︎Yuichiro Noda
https://www.instagram.com/yuichironoda

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